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2015/11/10

くくり神楽坂では、伝統の織を施した商品を多く取り扱っております。

くくりでは、ストールでよくみられる織り、
伝統織物の「絣(かすり)」についてご紹介します。

絣とは、かすれたような部分を規則的に配した模様、その模様のある織物の事をいいます。
織物の多くは中国発祥のものが多いですが、絣はインドから発祥したと言われています。
「絣」は中国の伝来ではないので中国の漢字ではないのです。
「絣」の語源は、糸を不完全に染めるところなど「カスレ」という表現がからきているのではないかと言われており、中国では、本来は書道で墨がかすれた部分をさし「飛白(ひはく)」と呼ぶ事も多いです。
一方、「絣」は「糸」と「併せる」という漢字の組合せで、絣の製法も説明しています。

絣の技法は4つに分ける事が出来ます。

経絣(たてがすり)
経糸のみで絣を表現し緯糸は無地のままというもので、典型はイカット(インドネシアの幾何学模様の絣、地域によって名称が違う)です。
経絣は世界の絣の中でいちばん多く、もっとも原初的な形態です。
糸を染める時は絡まないように同じ色に染めるものごとに束ね、束ねるために縛った部分は、糸が圧迫されるので意図しない防染効果が生じるようになります。
さらに縞を作るために一定量ごと分けて糸を染める絣は縞の発展形になります。


緯絣(よこがすり)
緯糸のみを絣にして模様表現し、経糸は無地のまま。
その典型は久留米、伊予、山陰各地の絵絣や大島紬の緯総(よこそう)です。
日本では、伝統的な絵絣は、筬台(絵台、絵図台)という道具を使ってつくりますが、
これは緯糸を絣にするのに適した方法なので、絵絣は緯総と呼ばれる緯絣のみのものが多くなります。

経緯絣(たてよこがすり)
経糸と緯糸の両方で絣を表現するもの。
経糸・緯糸それぞれの防染した部分が正確に交差しないと模様にならないので高度な技術が必要。
その典型は大島紬、結城紬などの日本の高級な紬です。

①~③の併用
経絣または緯絣は、一方の糸が防染されて白く抜けていても、交わる相手の糸は常にその織物の地色です。
そのため出来上がった模様は完全な白に抜けるのではなく、白と地色の中間の穏やかな色になります。
それに対して経緯絣は交わる相手の糸も白いので出来上がりははっきりした白になります。
この両者を組み合わ せることで、色彩のトーンに変化をもたせ、奥行きのあるデザインにすることができます。
この原理を上手く利用したのは十字絣で十字のタテ線とヨコ線をそ れぞれ経絣と緯絣で織り、交わった部分だけ自然と経緯絣になるようにしたものは、交わった部分だけが真っ白く抜けて、デザインに奥行きがでます。

日本でも、各地方でそれぞれ有名な絣があります。
その中でも有名なのが、備後絣(広島県福山市新市町、芦田町で生産)、伊予絣(愛媛県松山市で生産)、久留米絣(福岡県久留米市周辺で生産)を日本三大絣です。

店頭でも絣を使用したストールを販売しています。絹十綿 S/Wcut縞緯絣ストール

伝統の織りについて、またご紹介したいと思います。


kukuliスタッフ

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